歯周病の治療「組織再生誘導法」とは（1）

近年「歯周病」が、がん、認知症、糖尿病、高血圧、心臓血管疾患、脳血管疾患、さまざまな感染症といった全身疾患に大きく関わっていることが明らかになっています。歯のクリーニング=メンテナンスで歯石を取り除くなどで予防に努めていても日々の歯磨きが不十分で歯周病にかかってしまう人も少なくありません。その場合、どのような治療が行われるのかー

　まず、歯周病は、口腔内に常在している歯周病菌によって引き起こされる疾患で、進行すると歯肉が炎症を起こして腫れたり、出血しやすくなります。放置していると歯と歯肉の境目の歯周ポケットが深くなっていき、歯を支えている歯槽骨が溶けて歯がぐらつき、最後は抜け落ちてしまいます。

歯周病は、病態に応じて大きく『軽度』『中等度』『重度』の3段階に分けられ、歯周ポケットの深さ、歯の揺れ具合、レントゲン検査で骨吸収（歯槽骨の溶解）の度合いなどを見て判断します。治療はまず『歯周基本治療』を行います。正しいブラッシング指導に加え、歯の表面や歯周ポケットの中に付着している歯石とバイオフィルム（微生物の集合体）を特殊な器具で取り除く処置がそれに当たります。（歯石の種類と除去方法（1）と「歯石」の種類と除去方法（2）をご覧ください。）

軽度であれば、歯周基本治療だけで改善するケースもありますが、数カ月後に再評価して改善が見られず、中等度以上に悪化してしまうと、それ以上進行させないための治療が必要です。

そこで溶けた歯槽骨を再生するための外科処置として「組織再生誘導法」を行うか検討されます。いったいどんな処置なのか、過去から現代の方法を交えてお伝えします！