Compass「患者さんの『年齢・性別』を考えた歯科治療」(2)
投稿日:2023年8月23日
カテゴリ:理事長のつぶやき
2020年から2021年の中で計6回、歯科医専門誌「デンタルダイヤモンド」に掲載された、小林歯科医院理事長「小林和一のコラム」をご紹介しております。
第四回は2021年3月「患者さんの『年齢・性別』を考えた歯科治療」です。
≪≪≪ 前回からのつづきです。
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一方、患者さんが70代であれば、いわゆる “健康寿命” (平均寿命より9~12年早く訪れる。これ以降は何らかの生活支援や介護を受けることになる*1)を意識した歯科治療へのシフトが必要でしょう。高齢期(前期・後期)の患者さんでは、歯頚部(歯の付け根)歯肉の著しい退縮による歯頚部う蝕(虫歯)のリスク、脆弱な支持組織(歯を支える骨や歯肉)、糖尿病や高血圧などの生活習慣由来の全身的な基礎疾患、今後の生活環境の変化などを考慮して、患者さんの将来的なリスク低減策としてMI(最小限の侵襲に抑える治療)からオーバートリートメントと思われる治療への転換を余儀なくされることもあり得ます。
このように、患者さんの年齢や性別によって治療のゴールが異なることを、若手の歯科医師はぜひ知っていただきたいと思います。
つづく ≫≫≫
*1〔健康寿命の算定方式の指針:橋本ら、平成24年〕
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