骨粗しょう症には歯の治療で「顎骨壊死」のリスク(2)|世田谷区経堂の歯医者|小林歯科医院

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骨粗しょう症には歯の治療で「顎骨壊死」のリスク(2)

投稿日:2023年5月12日

カテゴリ:院長ブログ

前回、骨粗しょう症の治療薬のうち「ビホスホネート」という骨吸収抑制薬を長期服用されている方は、歯科治療(といっても抜歯や外科治療)を行うと「顎骨壊死」のリスクがあるというお話を致しました。今日は、ビスホスホネートの長期服用がなぜ顎骨壊死を起こすのかご説明いたします。

まだ詳しい機序ははっきりわかっていないと言われていますが、日本の研究では、ビスホスホネートに認められる「白血球に働きかけて殺菌物質の産生量を増やす」という作用が関係しているとの報告があります。ビスホスホネートを長期服用している人の場合、口腔内に常在している細菌が歯周ポケットや歯科治療による外傷などから顎の骨の中に侵入して炎症を起こすと、白血球が産生する殺菌物質が過剰になり、自分の細胞などを攻撃するなどして顎骨壊死を誘発しやすくなるようです。

ビスホスホネートの投与期間が長くなればなるほど発症リスクが高くなり、さらにステロイドなどの免疫抑制剤を使っている人や、糖尿病などの合併症があって感染しやすい状態の人もリスクがアップすると考えられています。ただ、発症頻度はまれで、がん治療などで高用量のビスホスホネート系薬剤を静脈注射投与している患者で0.66.7%、骨粗しょう症で使われる低用量の経口投与では0.000380.1%程度と推計されています。

小林歯科医院では、初診時やメインテナンス時など定期的に病歴や服薬など全身疾患の確認をさせていただいております。とりわけ外科処置の前には必ず確認させていただいています。お薬手帳や健康診断の結果表などをご持参いただくお手間はあるかと思いますが、こうした「顎骨壊死」という問題のリスクを最小限に回避したいと考えております。

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