「口腔機能精密検査」その内容とは(1)
投稿日:2023年4月24日
カテゴリ:院長ブログ
前回、歯科の新しい病名、「口腔機能低下症」についてご紹介しました。年齢と共に、或いは他の全身疾患(脳梗塞など)によって、口腔の機能低下が心配だという方は、一度まず検査を受けられることをお勧めいたします。
今日は、その検査はどんなものなのか、ご説明させていただきます!
「口腔機能精密検査」では7つの下位症状について評価します。
①口腔衛生状態不良
②口腔乾燥
③咬合力低下
④舌口唇運動機能低下
⑤低舌圧
⑥咀嚼機能低下
⑦嚥下機能低下
以上の7項目を検査して、3項目以上に該当し、かつ③咬合力低下⑤低舌圧⑥咀嚼機能低下のうち1項目が含まれている場合、口腔機能低下症と診断されます。
検査の内容はー
①口腔衛生状態不良
視診で舌に付着している舌苔の程度を見ます。舌の表面を9分割してそれぞれの舌苔付着の程度を3段階のスコアで評価します。合計スコアが9点以上の場合は口腔衛生状態不良となります。
②口腔乾燥
2つの方法のどちらかで評価します。1つは口腔水分計を使う方法で、舌の先端から10ミリの舌背部分の口腔粘膜湿潤度を計測します。もう1つは乾燥した2グラムのガーゼを2分間噛んでもらってから、唾液を含んだガーゼを回収します。ガーゼの重量を測定し、増加分が唾液量です。湿潤度が27.0未満、あるいは唾液量が2グラム以下なら口腔乾燥「有り」になります。
③咬合力低下
これも2つ方法があります。1つはデンタルプレスケールなどの感圧フィルムを3秒間噛んでもらい、どの程度の圧力で噛めているかや左右のバランスを見ます。もう1つは歯が何本残っているかを視診する方法です。20本未満の場合、咬合力低下と評価します。
ちょっと長くなりますので、次回④~ご紹介いたします!
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