新型コロナは「歯肉炎」にも関係している? (2)|世田谷区経堂の歯医者|小林歯科医院

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新型コロナは「歯肉炎」にも関係している? (2)

投稿日:2023年5月7日

カテゴリ:院長ブログ

前回お話しさせていただいたコロナ患者で報告されている「歯間乳頭の壊死」や「壊死性歯肉炎」は、歯と歯の間などの歯肉に痛みや腫れが生じて壊死してしまう病変です。歯肉が壊死すると潰瘍が形成されるが、潰瘍を覆う偽膜は剥がれやすいため、飲食や歯磨きによって潰瘍が露出して、出血や痛みが起こりやすくなります。一例としてご紹介したMさんの症状とも合致します。

「壊死性歯肉炎」は、口腔内にすんでいる細菌のいくつかが過剰に増殖するなどして感染と炎症を起こすことが原因で生じます。私たちの口腔内には400種類近い細菌が存在していて、その数は100億を超えるといわれています。それらのバランスが、ウイルス感染などによる口腔環境の変化によって崩れると、発症しやすくなるのです。多くは軽症で5日ほどで改善しますが、重症化すると発熱やリンパ節の腫れといった全身症状が現れるケースもあります。

コロナとの関連はともかく、こうした歯肉炎をはじめ、歯茎に腫れ、痛み、出血がある場合でも、ケアをおろそかにして口腔内の衛生環境を悪化させるのは悪循環です。歯肉炎が歯周病につながったり、歯茎の傷から口腔内細菌が侵入して全身を巡りさまざまな病気の原因になるリスクもあるからです。

歯茎に腫れや痛みがあって出血しやすい状態の場合、歯磨きには柔らかい歯ブラシやスポンジブラシを使ってもらいます。ブラッシングでは、歯ブラシの毛先を斜めにすると歯茎に当たってしまうので、歯面に直角に当てて弱めに歯だけを磨くようにしてください。また、歯茎が傷ついているならその周辺はブラッシングを避け、「コンクールF©」などのグルコン酸クロルヘキシジンが含まれた低刺激のうがい薬で口腔内をゆすぐのがいいでしょう。うがい薬をしみ込ませた綿棒で、歯面だけをケアする方法もあります。自宅療養など感染の危険性がなくなっていましたら、歯科医院でクリーニングをお受けいただくのも最善かと思います。

口腔内の環境が悪化すると感染症にかかりやすくなるという報告もあります。どんな状況でも、口腔ケアはおろそかにしないなら体調全体の改善に寄与するといえます。​

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