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マスク着用が拍車をかけた?「口呼吸」の健康被害

投稿日:2023年4月5日

カテゴリ:院長ブログ

​ ​新型コロナ禍における生活様式の変化で、大人も子供もマスクの着用がすっかり当たり前になりました。それ以前から花粉症やインフルエンザなど、季節単位でマスクを外せない方も多いと思います。また、世の中、マスク着用義務が解除されつつあるものの、混雑したところではなかなマスクは外せないと考える方もいらっしゃることでしょう。そんな状況下で懸念されているのが「口呼吸」の弊害です。


 マスクを着用していると、どうしても息苦しさを感じ、そのため、ふと気づくと自然と口を開けて「口呼吸」になっているということはありませんか?

 人間は本来、「鼻呼吸」するのが自然な状態だとされています。鼻にはたくさんの機能が備わっていて、鼻から息を吸うと、鼻毛や鼻の粘膜が空気中のほこり、ウイルス、微生物などを取り除きます。また、空気が出入りする肺を保護するため、鼻腔から咽頭、気管を通る過程で外気の温度や湿度を適度に調節する働きも担っています。鼻には、空気清浄機、エアコン、加湿器の機能が搭載されているんです。

 口呼吸していると、そうした機能が十分に働かなくなるため、ウイルスや細菌が体内に侵入しやすくなり、感染症にかかりやすくなったり、免疫力の低下につながってしまいます。さらに、口呼吸が口腔内の環境を悪化させ、さまざまな弊害を招くリスクがあります。

 ​まず、口呼吸をずっと続けていると、口腔内が乾燥して唾液が減少してしまいます。唾液の重要な働きを挙げると~

①口腔内の細菌や食べ物のカスを洗い流す洗浄作用。

②口腔内に侵入した細菌の活動を抑え込む抗菌作用。

③口の中のpHバランスを調節する緩衝作用。

④歯のエナメル質が溶ける脱灰の進行を防いで虫歯リスクを軽減させる再石灰化作用。

⑤口腔内の粘膜、歯、喉を覆って保護する作用。

⑥舌や喉の動きをなめらかにして食事や会話をスムーズにさせる潤滑作用。

⑦食べ物を分解して消化を助ける作用。

⑧傷ついた組織を修復する作用。

などが挙げられます。口呼吸による唾液の減少は、こうした働きを低下させてしまうため、感染症にかかりやすくなったり、虫歯や歯周病を招くリスクをアップさせるのです。

 実際、加齢によって唾液の量が少なくなっていると、飲食物やたばこのヤニなどで歯が着色しやすく、歯周病の原因になる歯石やプラーク(細菌の塊)の量も多くなります。歯周病は、がん、心臓病、糖尿病、認知症といった病気にかかりやすくなることがわかっています。口呼吸が深刻な病気につながる危険もあるというのは、あまり知られていないのではないでしょうか。

次回は「口呼吸」が歯並びに影響する?!をお伝えします。

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