間違った歯磨きは口の健康を悪化させる
投稿日:2023年4月11日
カテゴリ:院長ブログ
「1日3回、食後3分以内に3分間」歯磨き習慣のいわば常識と捉えられてきました。
確かに、虫歯も歯周病も口腔内の細菌が引き起こします。そのため、しっかり歯磨きして細菌を徹底的に除去すれば虫歯も歯周病も防げるとして、「1日3回、食後3分以内に3分間」の歯磨きが良いとされてきました。歯と歯茎の間に斜め45度の角度でブラシを当て、毛先を隙間の奥まで入れてブラッシングする方法も推奨されていました。
しかし、こうした歯磨きを続けていると、口腔内の環境は悪化していく可能性も十分あります。
過剰に力を入れたブラッシングを1日に何回も行うと、むしろ歯周病を招く危険があります。歯を守るための組織である歯茎を後退させてしまうからです。歯と歯茎は、「接合上皮」と呼ばれる接着性のタンパク質でできている組織によって、くっついています。歯ブラシの毛先を歯と歯茎の間の奥まで突っ込んでブラッシングを繰り返すと、その接合上皮を破壊してしまうのです。すると歯と歯茎が剥がれて隙間=歯周ポケットが深くなり、細菌が停滞して歯周病になりやすい環境になってしまいます。
接合上皮は有棘(ゆうきょく)細胞層と基底(きてい)細胞層からなる組織で、細胞と細胞の間には浸出液という血液成分が常に存在し、細菌などを”洗浄”して侵入を防いでいる。また、細胞の入れ替わりも早いことから「清潔域」とされ、汚れや細菌を除去するためにブラッシングする必要はありません。
つまり、歯と歯茎の間に毛先を当てて歯磨きしている人は、自分の手で細菌の侵入を助け、歯周病リスクを上げていることになるんです。
次回は、間違った歯磨きを続けた結果、どんな状態になってしまったか。衝撃の事実をお伝えします。
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